作家との巡り合わせ
長崎市の、夫の実家近くに、八百屋横丁という昔の呼び名の道がある。
長崎市を訪れる度に、この横丁に昔住んでいたサタイネコを知っているかという話になる。
その話は何度も繰り返し聞いたものではあるが、全く嫌な気持ちにならないのは、夫の父親が私に対して何を話したらいいのか困っていて、本好きという僅かな情報の中から一生懸命に話しかけてくれているのが分かるから。
私も口ベタで、こんな時に上手く話を盛り上げて愉しくする事が出来たらいいけど、愛想が無くて申し訳ない雰囲気になってしまう。
サタイネコは、佐多稲子さんだと知り、書かれた数冊を読んでみた。
もっと早く知って読んでいたらと後悔するほど、自分にピタリと馴染んだ。
先日、探し物で、中目黒のカウブックスに行った。
そして佐多稲子さんの「女茶わん」を見つけた。
探し物は見つからず、別のモノを掘り出した。
長崎出身の夫に贈ったけれど、実は自分のために手に入れたのかなあとも思う。
本との巡り合わせ、作家との巡り合わせは、偶然。
既に以前にタネは撒かれていたのだろうけれど、意識せずに生活していて、不意に、巡り会う。
ずいぶん前から知っていたような懐かしさが込み上げて来る。
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